50代になると、老後に向けた資産形成を意識して、新NISAを始めようかと考える方も増えてきます。
一方で、50代から投資を始めても遅いのではないか、毎月いくら積み立てればいいのかと迷う方もいるでしょう。
また、証券会社によっては、クレジットカードで投資信託を購入するクレカ積立を利用できます。毎月の積立を自動化しながらポイントも貯められるため、これから新NISAを始めたい50代にも使いやすい方法のひとつです。
この記事では、50代から新NISAをクレカ積立で始めるメリットや注意点、毎月の積立額の考え方、積立用カードと生活費用カードを分けるべきかについて解説します。
50代から新NISAをクレカ積立で始めるのはあり?
50代から新NISAを始める場合でも、クレカ積立は選択肢のひとつです。
毎月の積立を自動化できるほか、対応するカードなら積立額に応じてポイントを貯められる場合があります。
あわせて読みたい
50代から新NISAを始めても遅くない
結論から言うと、50代から新NISAを始めても遅いとは限りません。
2026年8月時点のNISAは、日本国内に住む18歳以上の方が利用でき、上限年齢はありません。また、非課税保有期間も無期限となっているため、60歳や65歳になった時点で保有している投資信託などを売却する必要もありません。
たとえば、55歳から積立を始めた場合、65歳まで10年間あります。退職後すぐに使う予定がなければ、65歳以降も運用を続けることが可能です。
あわせて読みたい
クレカ積立なら毎月の投資を自動化できる
クレカ積立なら、一度積立金額や投資する商品を設定しておけば、毎月自分で証券口座へ入金して購入する手間を減らせます。毎月決まった金額を自動的に積み立てられるため、投資を始めたばかりの方でも継続しやすいでしょう。
また、証券会社と利用するカードによっては、積立額に応じてポイントが貯まる組み合わせもあります。
ポイントの付与率や条件はカードや証券会社によって異なりますが、同じ金額を長期間積み立てるのであれば、ポイントを貯められることはクレカ積立ならではのメリットです。
無理なく続けられることを優先する
クレカ積立を始めるときは、無理なく続けられる積立額を設定するようにしましょう。
たとえば、新NISAのつみたて投資枠も年間1,200,000円まで利用できますが、この枠をすべて使い切ることが目的ではありません。
生活に必要なお金まで新NISAへ回してしまうと、急な支出が発生したときに投資信託を売却しなければならなくなる可能性があります。50代では、投資額をできるだけ増やすことよりも、家計に余裕を残しながら資産形成を続けることが大切です。
50代の新NISAでは毎月いくら積み立てる?
新NISAを始める際に悩みやすいのが、毎月の積立額です。
積立額に正解はありません。大切なのは、老後に向けた資産形成を急いで無理な金額を設定するのではなく、現在の家計で無理なく継続できる金額を考えることです。
あわせて読みたい
積立額は上限ではなく家計から逆算する
新NISAのつみたて投資枠は年間1,200,000円ですが、上限まで積み立てなければ制度を有効活用できないわけではありません。
毎月の収入から生活費や固定費、近いうちに使う予定のお金を差し引き、さらに預貯金として残しておきたい金額を考えたうえで、余裕資金から積立額を決めましょう。
積立額によってどれくらい違う?

毎月の積立額によって、10年後や15年後に準備できる資産額は大きく変わります。さらに、運用によって利益が出れば、その利益も再投資されることで複利効果が期待できます。
以下は、年利3%で毎月一定額を積み立て、運用を続けた場合のシミュレーションです。
| 毎月の積立額 | 10年間の積立元本 | 10年後の想定資産額 | 15年間の積立元本 | 15年後の想定資産額 |
| 10,000円 | 1,200,000円 | 約1,397,000円 | 1,800,000円 | 約2,270,000円 |
| 30,000円 | 3,600,000円 | 約4,192,000円 | 5,400,000円 | 約6,809,000円 |
| 50,000円 | 6,000,000円 | 約6,987,000円 | 9,000,000円 | 約11,349,000円 |
| 100,000円 | 12,000,000円 | 約13,974,000円 | 18,000,000円 | 約22,697,000円 |
※年利3%を12で割った月利で複利運用し、毎月一定額を積み立てた場合の単純シミュレーションです。手数料などは考慮しておらず、実際の運用成果を保証するものではありません。
たとえば月30,000円を15年間積み立てると、積立元本は5,400,000円です。年利3%で運用できたと仮定した場合、15年後の想定資産額は約6,809,000円となります。
ただし、投資信託の運用利回りは一定ではありません。値下がりによって積立元本を下回る可能性もあります。
参考:金融庁 資産形成の基本
積立額を途中で見直してもいい
50代は、子どもの独立や住宅ローンの完済などによって支出が減ることがあります。一方で、収入が減少したり、退職や再雇用によって家計の状況が大きく変わったりする場合もあるでしょう。
最初から大きな金額を設定する必要はありません。まずは無理なく続けられる金額から始め、家計の変化に合わせて定期的に見直しましょう。
新NISAでクレカ積立を利用するメリット
ここでは、新NISAでクレカ積立を利用するメリットを解説します。
あわせて読みたい
毎月入金する手間がない
クレカ積立では、あらかじめクレジットカードを登録し、積立内容を設定しておけば、毎月自動的に投資信託を購入できます。
自分でその都度購入しようとすると、相場を見て購入するタイミングを迷ったり、積立を忘れたりすることもあります。クレカ積立なら毎月決まったタイミングで積み立てるため、投資を習慣化しやすいでしょう。
クレジットカードのポイントが貯まる
証券会社とカードの組み合わせによっては、積立額に応じてポイントが貯まる場合があります。
たとえば毎月50,000円を積み立て、ポイント還元率が0.5%なら、単純計算で毎月250ポイント、年間では3,000ポイントです。還元率0.5%が変わらないと仮定すると、10年間で合計30,000ポイントになります。
先取り投資をしやすい
クレカ積立は、毎月一定額を先に投資へ回す仕組みを作りやすいため、先取りで資産形成を続けやすい方法です。
毎月余ったお金を投資しようとすると、なかなか資産形成が進まないことがあります。生活費や近いうちに使うお金を確保したうえで、毎月の積立額をあらかじめ決めておけば、資産形成を継続しやすくなるでしょう
50代がクレカ積立を利用するときの注意点・デメリット
ここでは、クレカ積立をするときの注意点やデメリットを解説します。
あわせて読みたい
ポイント還元率だけでカードを選ばない
クレカ積立用のカードを選ぶ際は、表示されている最大還元率だけで判断しないことが大切です。
カードによっては、年間の利用額やカードの種類などによって還元率が変わる場合があります。ポイントを増やすために必要のない買い物をしたり、高い年会費のカードへ切り替えたりしては、家計の負担が増える可能性があります。
また、クレカ積立のポイント還元率や付与条件は変更されることがあります。現在の還元率だけでなく、年会費や普段の使いやすさも含めてカードを選びましょう。
クレカ積立に対応するカードは証券会社によって異なる
クレカ積立では、好きな証券会社と好きなクレジットカードを自由に組み合わせられるわけではありません。
たとえばSBI証券では三井住友カードなど、楽天証券では楽天カード、マネックス証券ではdカードなど、それぞれ利用できるカードが決まっています。
クレカ積立を始める際は、ポイント還元率だけを見てカードを先に作るのではなく、利用したい証券会社や取り扱う商品を確認したうえで、対応するカードを比較しましょう。
積立用カードと生活費用カードは分けるべき?

新NISAのクレカ積立を始めるときに、生活費に使っているカードをそのまま利用するか、積立用として別のカードを作るか迷う方もいるでしょう。
結論として、積立用カードと生活費用カードを必ず分ける必要はありません。
あわせて読みたい
カードを分けるメリット
積立用カードを分ける大きなメリットは、生活のために使ったお金と投資へ回したお金を区別しやすくなることです。
たとえば、生活費に使っているカードの利用額が毎月150,000円前後あり、さらに新NISAで50,000円を積み立てている場合、同じカードを使うと、生活費と積立を合わせた利用額は200,000円前後になります。
カード明細を確認すれば積立額は分かりますが、家計全体のカード利用額だけを見たときに、実際に消費した金額と投資へ回した金額が分かりにくくなることがあります。
家計簿を細かく管理している方や、毎月いくら資産形成へ回しているのか確認したい方には分けるメリットがあるでしょう。
カードを分けるデメリット
一方で、カードを分けると管理するクレジットカードの枚数が増えます。
カード会社ごとにアプリや利用明細を確認したり、引き落とし口座や支払日を管理したりする必要があるため、かえって管理が複雑になる場合もあります。
また、生活費用と積立用で異なるカードを使うと、貯まるポイントが分散する場合もあります。普段貯めているポイントとの相性も考えて、カードを増やすか判断しましょう。
クレカ積立のために、新しいカードを必ず作る必要はありません。現在使っているカードがクレカ積立に対応しており、生活費と投資額を問題なく管理できるのであれば、そのまま利用してもよいでしょう。
分けたほうがいい人・分ける必要のない人
同じカードを利用する場合と、積立用カードを分ける場合の違いをまとめると、次のようになります。
| 比較項目 | 同じカードを使う | カードを分ける |
| 管理の手間 | カード枚数が増えず、管理がシンプル | カードやアプリが増え、管理の手間はやや増える |
| 明細の見やすさ | 生活費と積立額が同じ明細に載る | 投資額だけを別で確認しやすい |
| 家計管理 | 支出がまとまる反面、投資額が埋もれやすい | 生活費と積立額を分けて把握しやすい |
| 積立額の把握 | 明細を見れば確認できるが、支出と混ざる | 毎月いくら積み立てたか一目でわかりやすい |
| ポイントの貯まり方 | ポイントを1つに集約しやすい | ポイントが分散する可能性がある |
| 利用額の管理 | 生活費と積立分が合算される | 投資用と生活費用の利用額を分けて管理できる |
| 向いている人 | カードを増やしたくない人、管理をシンプルにしたい人 | 家計と投資を明確に分けたい人、毎月の積立額を把握したい人 |
生活費のカード利用額が大きい方や、家計と投資を明確に分けたい方、家計簿を細かく管理している方は、カードを分ける方法が向いています。
また、夫婦で生活費を同じカードにまとめている場合、自分の新NISA積立だけ別のカードにすると、家計の支出と投資額を区別しやすくなります。
一方で、カードを増やしたくない方や、現在使っているカードがクレカ積立に対応している方、明細を見れば生活費と積立額を問題なく区別できる方は、無理に分ける必要はありません。
どちらが正解というわけではないため、自分が家計を管理しやすい方法を選びましょう。
50代のクレカ積立用カードはどう選ぶ?
クレカ積立用カードは、ポイント還元率だけでなく、年間利用額の条件や普段貯めているポイント、生活費カードとの使い分けも考えて選ぶことが大切です。
年間利用額などの条件も確認する
カードによっては、年間利用額やカードの種類によって還元率が変わります。また、クレカ積立の利用額そのものが年間利用額の判定に含まれないケースもあります。
年会費も含めて計算し、自分の普段の使い方で無理なくメリットを受けられるカードを選びましょう。
貯めたいポイントとの相性を見る
クレカ積立では、普段利用しているポイントとの相性も重要です。
日常の買い物でも使っているポイントであれば、クレカ積立で獲得したポイントも使いやすく、残高を管理しやすくなります。
還元率だけではなく、貯まったポイントを普段の生活で使いやすいかまで考えてカードを選びましょう。
生活費カードとの役割分担を決める
クレカ積立用のカードは、積立だけに使う必要はありません。
たとえば、クレカ積立に使うカードへ電気代やスマホ代などの固定費もまとめれば、年間利用額の条件を達成しやすくなる場合があります。ただし、ポイント還元率を上げるために、必要のない支出まで増やす必要はありません。
普段の支出と資産運用の中から、生活費カードとの役割分担をはっきりさせておきましょう。
あわせて読みたい
新NISAのクレカ積立で使われる主な組み合わせ
新NISAでクレカ積立を利用する場合、証券会社とカードの組み合わせによって貯まるポイントや還元条件が変わります。
ここでは、50代からクレカ積立を始める際に候補となる主な組み合わせを紹介します。
※ポイント還元率や条件は変更されることがあるため、申し込み前には必ず最新情報を確認してください。
SBI証券×三井住友カード(NL)

| 年会費 | 無料 |
| 家族会員 | 無料 |
| ETCカード | ・初年度:無料・2年目以降:条件付き無料 |
| 国際ブランド | Visa、Mastercard |
| 通常還元率 | 0.5% |
| 旅行保険 | 海外:最高2,000万円 |
Vポイントを貯めている方や、普段から三井住友カードを利用している方は、SBI証券と三井住友カード(NL)の組み合わせが候補になります。
2026年8月時点では、入会初年度のポイント付与率は0.5%で、2年目以降は前年の年間カード利用額が100,000円以上なら0.5%となります。100,000円未満の場合はポイント付与がありません。
注意したいのは、クレカ積立で使った金額自体は、ポイント還元率を判定する年間カード利用額には含まれない点です。
普段の買い物や固定費などでどのくらい三井住友カードを利用するかも含めて検討しましょう。
あわせて読みたい
楽天証券×楽天カード

| 年会費 | 無料 |
| 家族会員 | 無料 |
| ETCカード | 550円(税込)※条件付き無料 |
| 国際ブランド | Visa、Mastercard、JCB、American Express |
| 通常還元率 | 1.0% |
| 旅行保険 | 海外:最高2,000万円 |
楽天ポイントを普段から貯めている方には、楽天証券と楽天カードの組み合わせがあります。
楽天証券では、楽天カードを利用して毎月100円から100,000円まで投資信託を積み立てられます。
2026年8月時点では、楽天カードの種類だけでなく、積み立てるファンドの代行手数料によってもポイント還元率が変わります。
代行手数料が年率0.4%未満のファンドの場合の還元率の例は次のとおりです。
| 一般カード | 0.5% |
| 楽天ゴールドカード | 0.75% |
| 楽天プレミアムカード | 1.0% |
代行手数料が年率0.4%以上のファンドでは還元率が異なります。
あわせて読みたい
マネックス証券×dカード

| 年会費 | 無料 |
| 家族会員 | 無料 |
| ETCカード | ・初年度:無料・2年目以降:条件付き無料 |
| 国際ブランド | Visa、Mastercard |
| 通常還元率 | 1.0% |
| 旅行保険 | なし |
dポイントを貯めている方には、マネックス証券とdカードの組み合わせがあります。
通常のdカードでは、毎月の積立額に応じてポイント還元率が異なります。
| 積立額50,000円以下の部分 | 1.1% |
| 50,000円超70,000円以下の部分 | 0.6% |
| 70,000円超100,000円以下の部分 | 0.2% |
月100,000円を積み立てた場合は、合計730ポイントが貯まる計算になります。
50代の新NISAはどんな銘柄を選ぶ?
50代から新NISAを始めるときは、クレジットカードだけでなく、どの投資信託を積み立てるかも考える必要があります。
雑誌やWebサイト、ブログなどでも、50代におすすめの銘柄ランキングや人気ファンドが紹介されていますが、人気があるから自分に向いているとは限りません。
退職までの期間や保有している資産、今後必要になるお金などを考え、自分がどの程度の値動きまで受け入れられるか確認しましょう。
人気ランキングだけで選ばない
証券会社のランキング上位に入っている投資信託は、多くの人が購入している商品を知る参考にはなります。
ただし、人気がある商品だから損をしないわけではありません。
たとえば、株式を中心に投資するファンドは、相場の動きによって資産額が大きく増減することがあります。相場が下落したときには、投資元本を大きく下回る可能性もあるため注意が必要です。
長期・積立・分散を意識する
投資初心者が新NISAで資産形成を始める場合は、長期・積立・分散という考え方を知っておきましょう。
50代から新NISAを始める場合でも、短期間で大きな利益を狙うのではなく、余裕資金を使って一定額を積み立て、投資先を地域や資産に分散することを意識しておくことが大切です。
インデックスファンドも選択肢のひとつ
新NISAのつみたて投資枠では、インデックスファンドも選択肢になります。
インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500、MSCI ACWIなど、特定の指数への連動を目指して運用する投資信託です。
なかでも、全世界の株式へ広く分散投資するeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称オルカンは、新NISAの銘柄を調べている方が目にする機会も多いでしょう。
ただし、オルカンも株式を中心に投資する商品であり、元本が保証されているわけではありません。50代だからオルカンを選べば安心というわけでもないため、自分の投資目的やリスク許容度を確認して選びましょう。
自分のリスク許容度も確認する
50代では、何を買うかだけでなく、どの程度の値下がりまでなら投資を続けられるかを考えることも重要です。
たとえば新NISAへ老後資金の大部分を投入している状態で、退職直前に相場が大きく下落すると、必要なタイミングで資産を取り崩しにくくなる可能性があります。
一方で、十分な預貯金があり、年金や退職金などで当面の生活費を確保できるのであれば、運用を続けられる期間は長くなるかもしれません。
値下がりしたときにも慌てて売却せず、運用を続けられる金額かどうかも含めて、自分がどの程度のリスクを取れるのか考えましょう。
まとめ|50代の新NISAはポイントより家計とのバランスを考えよう
50代から新NISAを始めても、遅いとは限りません。
新NISAには上限年齢がなく、非課税保有期間も無期限なので、50代からでも10年、20年と運用できる可能性があります。
また、クレカ積立を利用すれば、毎月の投資を自動化しながらクレジットカードのポイントを貯められます。
積立用カードと生活費用カードを必ず分ける必要はありません。生活費と投資額を分けて管理したい場合はカードを分け、同じカードでも管理できる場合は無理に増やさなくてもよいでしょう。
50代からの資産形成では、ポイント還元率の高さだけでなく、毎月いくらなら無理なく積み立てを続けられるのかを考えることが重要です。家計と老後資金のバランスを確認しながら、自分に合った金額から新NISAを始めてみましょう。







