これから副業を始めようとしている方のなかには、副業専用のクレジットカードを新しく作るべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。
副業用のクレジットカードは、必ずしも新しく作る必要はありません。手持ちのカードを1枚選び、副業専用として使う方法でも、生活費と副業の経費を分けられます。
ただし、仕入れ代や広告費、通信費、ソフト代などの経費が継続的に発生する副業では、早い段階でカードを分けておくのがおすすめです。
また、生活用の口座とは別に副業用口座を用意し、副業収入の受け取りと副業用カードの引き落としを同じ口座にまとめると、収入の受け取りから経費の支払いまでのお金の流れを確認しやすくなります。
この記事では、副業用のクレジットカードを分けた方がよいケース、カードと口座を分けるメリット・デメリット、カード選びのポイントを解説します。
さらに、会社員の副業で確認しておきたい確定申告や住民税についても紹介しますので、副業のお金を管理する仕組み作りに役立ててください。
副業用のクレジットカードは分けるべき?
副業用のクレジットカードを個人用のカードと分けることは法律上の義務ではありません。副業専用のカードを持っていないことを理由に、経費を計上できなくなるわけでもありません。
カードを分ける目的は、カードで支払ったものを自動的に経費として認めてもらうことではなく、副業の支出を生活費と区別しやすくすることです。
カードを分ける必要性は、副業収入の金額だけでなく、経費の種類や支払いの頻度によっても変わります。
| 副業の種類 | 主な経費 | カードを分ける必要性 |
| アルバイト・パート | 自己負担する交通費など | 低い |
| Webライター・オンライン秘書 | 通信費、ソフト代、資料代 | 中程度 |
| 動画制作・ブログ運営 | 機材費、サーバー代、広告費 | 高い |
| せどり・物販 | 仕入れ代、送料、梱包資材 | 高い |
副業ごとのカードを分ける必要性は、経費の種類や支払い回数を基にした目安です。同じ副業でも、利用するサービスや取引件数によって必要性は変わります。
たとえば、アルバイトやパートのように、勤務先から給与を受け取り、自分で支払う経費がほとんどない副業では、専用カードを用意する必要性は高くありません。なお、アルバイトやパートの給与所得では、自己負担した交通費などを通常の必要経費として差し引けるわけではありません。
一方、せどりや物販は、仕入れ代、送料、梱包資材、販売手数料など、複数の経費が継続的に発生します。取引件数や支払先が多い副業ほど、早めにカードを分けたほうが管理しやすいでしょう。
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副業用カードを分けたほうがよいケース

仕入れ代や広告費、通信費などを毎月支払う方は、副業用とプライベート用のカードを分けるのがおすすめです。
たとえば、ブログ運営ではレンタルサーバー代、ドメイン代、画像素材代、生成AIやアクセス解析ツールの利用料などが発生することがあります。
また、毎月の経費を一覧で確認したい方や、会計ソフトとカードを連携したい方も、副業用にカードを分けたほうがよいでしょう。副業用カードを会計ソフトに連携できれば、取り込まれた明細からプライベートの支払いを除外する作業を減らせます。
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無理にカードを分けなくてもよいケース

アルバイトやパートなど、自分で支払う経費がほとんど発生しない副業では、無理にカードを分ける必要はありません。
また、年に数回しか副業関連の支払いがない場合や、副業を試しに始めたばかりで継続するか分からない場合も、新しいカードを作るメリットは小さくなります。領収書やスプレッドシートだけで収支を管理できる間は、無理にカードを増やさなくてもよいでしょう。
ただし、専用カードを作らない場合でも、副業の収入と経費を記録しなくてよいわけではありません。個人用カードで経費を支払ったときは、支払日、金額、購入内容、副業との関係を確認できるように記録しておきましょう。
副業用にカードと口座を分けるメリット
副業のお金を管理しやすくしたい場合は、クレジットカードだけでなく、副業収入を受け取る銀行口座も分けておくと便利です。
ここでは、副業用にカードと口座を分けるメリットを解説します。
副業の収入と経費を確認しやすくなる
副業用のカードを分けると、カード明細から副業関連の支出を確認しやすくなります。
また、副業用に口座も分けておけば、クラウドソーシングサイトからの報酬、広告収入、フリマアプリやECモールからの売上など、入金元を把握しやすくなります。
副業用口座への入金と、カード利用代金や各種サービス料金の引き落としをまとめて確認できるため、副業に関するお金の流れを把握しやすくなるでしょう。
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経費の計上漏れを防ぎやすい
生活用カードと副業用カードが同じ場合、少額のサブスクや消耗品費を見落としやすくなります。
たとえば、毎月500円のクラウドサービスや、年に1回支払うドメイン代などは、生活費の明細に混ざると見逃してしまうことがあります。副業用カードに支払いを集約しておけば、少額の経費も確認しやすくなるでしょう。
ただし、カード明細は支出を確認する手がかりのひとつです。領収書や請求書、オンラインで発行された利用明細なども、取引内容を確認できるように保存しておきましょう。
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確定申告や帳簿付けがしやすくなる
副業専用カードを会計ソフトに連携すると、カードの利用明細を自動で取得できる場合があります。
副業用とプライベート用のカードを分けていれば、取り込まれた明細から私用の買い物を除外する作業を減らせます。
同じ支払先を繰り返し利用する場合は、会計ソフトに仕訳ルールを登録しておくことで、毎月の記帳も効率化できるでしょう。
納税用のお金を生活費と分けて確保できる
副業収入が入ったときに、すべてを生活費として使ってしまうと、確定申告後の納税資金が不足する可能性があります。
副業用口座を分けておけば、収入が入るたびに一定額を納税用として使わずに残すなど、納税に備えるルールを作りやすくなります。
会社員の副業では、所得税だけでなく、翌年度の住民税にも副業の所得が反映されます。一定の条件を満たして所得税の確定申告が不要になる場合でも、住民税の申告が必要になることがありますので注意が必要です。
副業用のカードと口座を分けるデメリット
副業用のカードと口座を分けると、お金の流れを把握しやすくなる一方で、管理するカードや口座が増える点には注意が必要です。
ここでは、副業用のカードと口座を分けることによるデメリットや注意点を解説します。
カードや口座の管理が増える
副業用のカードを新しく作ると、カードの締め日や支払日、引き落とし口座の残高を確認する手間が増えます。カード会社や銀行のアプリが増えれば、ID、パスワード、2段階認証などの管理も必要となります。
とくに注意したいのが、引き落とし口座の残高不足です。カード利用代金を支払えないと、カードを一時的に利用できなくなることもあるため、支払日前に口座残高を確認しておきましょう。
副業用カードを作った後は、毎月の支払日前に利用明細と口座残高を確認する日を決めておくと安心です。
ポイントが分散する場合がある
生活費と副業経費を異なるカードで支払うと、カードの組み合わせによってはポイントが分散する場合があります。
異なるポイントが貯まるカードを複数持つと、それぞれのポイント残高や有効期限も管理しなければなりません。
ただし、副業用カードを選ぶときは、ポイントの貯まりやすさだけでなく、支払いをまとめやすいか、明細を確認しやすいか、利用する会計ソフトと連携できるかも確認しましょう。
年会費がかかる場合がある
ビジネスカードのなかには、年会費がかかるものがあります。
副業を始めたばかりで経費が少ない段階では、有料のビジネスカードを無理に選ぶ必要はありません。
使っていない個人向けカードや、年会費無料のカードを副業専用として使う方法もあります。
副業の支払い件数や金額が増え、経費管理機能やビジネス向けの付帯サービスが必要になってから、ビジネスカードへ切り替える方法もあります。
副業用クレジットカードを選ぶポイント
副業用カードを選ぶときは、毎月の支払額や主な支払先、副業収入の入金日などを確認することが大切です。
副業用口座を引き落とし口座に設定できるか確認する
クレジットカードによって、引き落とし口座に設定できる金融機関が異なります。
ビジネスカードを申し込む場合は、個人名義口座や屋号付き口座など、どの口座名義を引き落とし口座に設定できるか確認しましょう。
副業で利用するサービスにカードを登録できるか確認する
副業で利用する仕入れ先やサービスがカード決済に対応しているか、選ぼうとしているカードの国際ブランドを登録できるか確認しましょう。
海外サービスでは、利用できる国際ブランドが限られている場合があります。また、サービスによっては、本人認証サービスに対応したカードでなければ登録できないこともあります。
また、外貨で支払うときは、海外事務手数料も比較しておきましょう。
会計ソフトとの相性を確認する
会計ソフトを利用する予定がある方は、クレジットカードとの連携方法を確認しましょう。
カード会社と会計ソフトが自動連携に対応していれば、利用日、支払先、金額などの明細を取り込めます。利用するカードが連携対象になっているか、事前に確認しましょう。
同じ支払先を繰り返し利用する場合は、自動仕訳ルールを設定できる会計ソフトを使うと、毎月の入力作業を減らせます。
締め日と支払日を確認する
副業用カードを選ぶ際は、カードの締め日と支払日を確認しましょう。
副業収入の入金日より前にカードの支払日が来ると、売上や報酬が入金されるまで、カード利用代金を自己資金で補う必要があります。
とくに物販では、商品を仕入れてから販売し、ECモールやフリマアプリから売上が入金されるまでに時間がかかります。売上金の入金前にカード利用代金が引き落とされる場合もあるので、資金に余裕を持たせておくことが大切です。
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利用限度額が副業の支出に合っているか確認する
カードの利用限度額が、毎月の仕入れ額や広告費に合っているか確認しましょう。
利用限度額に近い状態が続くと、必要なタイミングでカードを使えない可能性があります。
毎月の通常経費だけでなく、年払いのソフト代やサーバー代、機材の買い替えなども考慮して選びましょう。
経費や取引件数が増えたらビジネスカードを検討する
副業の規模が小さいうちは、現在使っていない個人向けカードや、年会費無料のカードを副業専用にして管理する方法もあります。
副業の規模が大きくなり、毎月の経費が増えた、利用限度額が足りない、会計ソフトとの連携を強化したいといった場合は、ビジネスカードを検討しましょう。
ビジネスカードには、従業員向けの追加カードを発行できるものや、複数のETCカードを発行できるものがあります。1人で副業を続ける場合は追加カードが不要でも、将来、従業員や事業用車両が増えたときに役立つことがあります。
会社員の副業で確定申告が必要になるケース
税法上、「副業」という所得区分があるわけではありません。アルバイトやパートとして給与を受け取る場合と、業務委託や物販で収入を得る場合では、確定申告の判断方法が異なります。
なお、税制や自治体の取り扱いは変更される可能性があります。実際に申告する際は、国税庁や住んでいる市区町村の最新情報を確認してください。
アルバイト・パートの副業は給与所得になる
雇用契約を結び、アルバイトやパートとして受け取る給与は、原則として給与所得になります。
本業以外の勤務先から給与を受け取った場合は、副業先から源泉徴収票を受け取り、保管してください。本業の会社で年末調整を受けていても、副業先から受け取る従たる給与は、原則として年末調整されません。
2か所以上から給与を受け取り、その給与の全部が源泉徴収の対象となる会社員では、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得金額との合計が20万円を超える場合などに、確定申告が必要になります。
参考:国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
業務委託や物販は売上ではなく所得で判断する
業務委託や物販の副業の場合、売上ではなく、収入から必要経費を差し引いた所得を基に判断します。
会社員が本業の勤務先1か所から給与を受け取り、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要になります。
たとえば、物販で年間1,000,000円を売り上げ、販売した商品の仕入原価や販売手数料、送料などの必要経費が900,000円だった場合、単純計算では所得は100,000円です。
所得が20万円以下でも住民税の申告が必要になる場合がある
給与所得・退職所得以外の所得が20万円以下で、所得税の確定申告が不要になった場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。
たとえば、横浜市では、一定の条件を満たし、給与所得以外の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告が必要になると案内しています。所得税の確定申告をした場合は、確定申告の情報が自治体へ送られるので、通常は改めて住民税の申告をする必要はありません。
副業の住民税を普通徴収にできるとは限らない
住民税の納付方法には、普通徴収と特別徴収があります。
| 普通徴収 | 自治体から送られてくる納付書などを使い、自分で住民税を納める |
| 特別徴収 | 勤務先が毎月の給与から住民税を差し引き、本人に代わって自治体へ納付する |
業務委託や物販など、給与所得以外の副業所得にかかる住民税は、確定申告書で「自分で納付」を選択できます。
ただし、確定申告書で「自分で納付」を選択できるのは、原則として給与所得以外の所得にかかる住民税です。副業がアルバイトやパートなどの給与所得である場合は、本業の給与と合算し、主な勤務先の給与から特別徴収されるのが原則です。
副業用クレジットカードに関するよくある質問
副業を始めたばかりでもカードを分けるべき?
副業を始めたばかりで、経費の種類や支払い件数が少なければ、必ずしもすぐにカードを分ける必要はありません。
ただし、仕入れ代やソフト代などの経費が毎月発生する場合は、早い段階でカードを分けた方が管理しやすくなるでしょう。
副業用カードは新しく作らないといけない?
副業用として、新しいクレジットカードを作る必要はありません。
現在持っているカードのなかから、普段使っていないものを1枚選び、副業の支払いだけに使えば、生活費と経費を分けられます。普段使っていないカードを副業用に切り替える場合は、公共料金やサブスクなど、生活費の継続払いが残っていないか確認しましょう。
ただし、個人カードを事業目的で利用できるかは、カード会社の会員規約を確認しましょう。
副業用カードの年会費は経費にできる?
副業専用カードの年会費は、副業の収入を得るために必要な支出であれば、必要経費として扱える場合があります。
一方、副業とプライベートの両方に使っているカードでは、副業で利用している割合などを基に、必要な部分だけを経費として計上します。
副業用とプライベートの支払いが混ざった場合はどうする?
副業用とプライベートの支払いが一度混ざったからといって、カードを作り直す必要はありません。
個人用カードで副業の経費を支払った場合は、支払日、金額、購入内容を記録し、領収書や請求書を保存しましょう。反対に、副業用カードでプライベートの支払いをした場合は、その支出を経費に含めず、私用の支払いとして区別して記録します。
クレジットカードの利用明細だけで経費を証明できる?
クレジットカードの利用明細には、利用日、支払先、金額が記載されていても、購入した商品やサービスの内容まで確認できないことがあります。
カード明細だけでなく、購入内容が分かる領収書、請求書、レシート、注文履歴なども保存しましょう。オンラインで受け取った領収書や請求書などが電子取引データに該当する場合は、原則として電子データのまま保存します。
副業用カードを作ると勤務先に知られる?
通常、クレジットカードを作ること自体が、副業が勤務先に知られる原因となるわけではありません。
ただし、カードの審査にあたり、勤務先へ在籍確認の電話が入る場合があります。在籍確認は申告した勤務先で働いているかを確認するもので、通常は副業の内容が勤務先へ伝えられるわけではありません。
開業届を出していなくてもビジネスカードを作れる?
開業届を提出していなくても、申し込めるビジネスカードがあります。
副業をしている会社員やフリーランスを対象とし、開業届の控えや決算書を提出せず、本人確認書類などで申し込めるカードもあります。ただし、申込条件や必要書類はカードごとに異なるため、公式サイトで確認しましょう。
副業のお金は口座・カードをまとめて整えよう
副業用のクレジットカードを分けることは法律上の義務ではありませんが、仕入れや広告費、副業に関する通信費、ソフト代などの経費が継続的に発生する副業では、カードを分けた方が管理しやすくなります。
さらに、副業収入を受け取る口座と、副業用カードの引き落とし口座を同じ口座にすれば、収入の受け取りから経費の支払いまで、お金の流れを確認しやすくなります。
また、会社員の副業では、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。
これから副業を始める方は、まず手持ちの口座とクレジットカードを確認し、副業の収入や支払いが増えても管理できる方法を決めておきましょう。




