
クレジットカードを作る際に、両親や先輩から「リボ払いには気をつけろ!」と言われたことがある方も多いのではないでしょうか。
確かに、無計画にリボ払いを利用することで残高が膨らんでしまい、返済不能に陥ってしまうカード破産のリスクはあります。
ただし、それは使い方が間違っているだけで、リボ払いという仕組み自体が“悪”というわけではありません。
この記事では、リボ払いの仕組みから、クレジットカードを利用する際の注意点まで解説します。
リボ払いは使い方次第で危険とはいえない!リボ払いの仕組みを解説

リボ払いとは、月々の利用金額に関わらず、あらかじめ設定した一定額を支払っていくクレジットカードの支払い方法を指します。
正確には「リボルビング払い」と呼ばれ、「分割払い」に似た仕組みですが、選んだ回数で支払う分割払いとは異なり、一定額を支払うのがリボ払いです。
例えば、3万円の品物を購入する場合、3回の分割払いと月々5,000円のリボ払いの支払い方法は次のようになります。

3回の分割払い | 月々1万円+手数料を3ヵ月支払う |
月々5,000円のリボ払い | 月々5,000円+手数料を6ヵ月支払う(元金定額方式の場合) |
上記の例では、リボ払いの方が月々の支払いの負担は少ない半面、支払いが長期間となります。
また、リボ払いの支払い方法には次の3種類があります。
元利定額方式 | 手数料を含めた毎月の支払い金額が一定になる方式 |
元金定額方式 | 毎月、元金を一定に支払う方式。元金に手数料が上乗せされるため、支払い開始時は支払い金額が大きくなる |
残高スライド方式 | 支払い残高に応じて毎月の支払い金額が変動する方式 |
元利定額方式以外の支払い方法の場合、厳密には毎月の支払い金額は変動しますので注意が必要です。
リボ払い・分割払いのいずれの支払い方法でも、元金の支払いだけではなく手数料が発生します。手数料はカードによって異なりますが、実質年率15.00%程度のカードが多くなっています。
使い方によってはリスクもあることを知っておこう
リボ払いは、上手に活用すれば毎月の支払い金額を一定にできる便利な支払い方法ですが、使い方によってはリスクもあると知っておく必要があります。
リボ払いの利用で想定されるデメリットは次のとおりです。
- 手数料がかかる
- 気づかないうちに残高が増える
- 完済までの期間が分かりにくい
それぞれのデメリットについて詳しくみていきましょう。
手数料がかかるから支払い総額が高額になってしまう
リボ払いでは、元金の支払いだけではなく手数料が発生するため、支払いが長期間になってしまった場合に支払い総額が高額になってしまうリスクがあります。
楽天カードのリボ返済シミュレーションで、5万円の利用分を月々5,000円で支払う場合と、月々10,000円で支払う場合の支払い総額の差を調べてみました。
支払回数 | 支払い総額 | |
月々5,000円 | 10回 | 53,435円 |
月々10,000円 | 5回 | 51,875円 |
※実質年率15.00%、元金定額方式
月々の支払い金額を少なくすれば毎月の支払いの負担は減りますが、同じ金額をリボ払いしても支払いが長期間になると手数料も高額になってしまう点に注意が必要です。
意図せずにリボ払いになっている場合がある
クレジットカードの中には、支払い時にリボ払いを指定していない場合でも、全ての支払いがリボ払いになる「自動リボ払い」を設定できるカードがあります。
カードによっては、申込み時に自動リボ払いに設定することでポイントがプレゼントされるキャンペーンをおこなっている場合もあり、自動リボ払いに設定したことを本人が忘れてしまうパターンがあります。リボ払いだと月々の支払い金額は定額となるため、明細などで残高が管理できていない場合、気づかないうちに残高が増えてしまうリスクがあることを知っておきましょう。
国民生活センターの公開しているトラブル事例として、意図せずに支払い方法がリボ払いになっており、気づかぬうちに100万円近いリボ残高があることが分かったという事例もあります。この事例の場合、リボ残高は利用明細に記入されますので、毎月明細を確認する癖があれば防げたトラブルと考えることもできます。
逆にいえば、明細を確認する習慣の無い方やお金の管理が得意でない方は、リボ払いの利用は避けるのがおすすめです。
完済までの期間を把握しづらい
リボ払いでは、利用金額と月々の支払い金額によって完済までの支払い回数が異なるため、完済までの期間を把握しづらい点がデメリットです。
リボ払いでの支払いを完結させる前に新たにリボ払いでお買い物をすると、リボ残高が増えるため、支払い期間が伸びてしまいます。残高スライド方式以外の支払い方法では、残高が増えても月々の支払い金額に大きな変動がないため、気づいた頃にはリボ残高が膨れ上がり、支払いが長期間になってしまうパターンもあります。
計画的に返済をしていくなら、リボ払いよりも、支払い回数が明確な分割払いを活用するのがおすすめです。
リボ払いで失敗をしないためのコツ
リボ払いにはデメリットしかないのかというと、決してそのようなことはなく、使い方次第で便利に利用できる支払い方法の1つです。
リボ払いで失敗をしないようにするためのコツが次の3つです。
- 手数料や支払い方法を必ず確認しておく
- 残高と残りの支払い回数を確認する癖を付ける
- リボ払いを多用し過ぎない
詳しく解説していきましょう。
手数料や支払い方法を必ず確認しておく

明確な意思を持ってリボ払いをする場合だけではなく、自身が一括払いで支払っているつもりの決済でも、手数料や支払い方法を確認しておく癖を付けましょう。
リボ払いの利用方法には次のようなパターンがあります。
- 支払い時にリボ払いを指定する
- 買い物後にリボ払いに変更する
- すべての利用分を自動でリボ払いにする
- リボ払い専用のクレジットカードを利用する
とくに、自動リボ払いに設定している場合やリボ専用カードを使っていると、店頭で一括払いを指定したつもりでもリボ払いになっているケースがありますので注意が必要です。
残高と残りの支払い回数を確認する癖を付ける

意識してリボ払いを利用している場合でも、毎月の明細等でリボ残高と残りの支払い回数を確認する癖を付けましょう。
リボ払いを利用する場合でも、前回の残高の支払いが終わってから次の支払いをするようにすれば、多額のリボ残高を抱え込むリスクは少なくなります。
リボ払いを多用し過ぎない

最も賢い使い方が、リボ払いを多用しすぎないことです。
リボ払いを利用すると、毎月の支払いの負担が軽減されるため、気づいた時には返済能力を超えた残高になってしまうケースもあります。
場合によってはカードローンを利用した方が支払う金利が安くなるケースもありますので、手に負えなくなる前に使用を止めるのも1つの方法です。
リボ払いはリスクを知ったうえで必要に応じて活用しよう
初めてクレジットカードを作る方の場合、リボ払いのリスクを正しく知っておくことが重要です。
無計画に使用すると、知らないうちにリボ残高が膨らんでしまい、返済が難しくなってしまうリスクがあるのは事実。ただし、リスクを正しく知ることで、賢く使えばリボ払いが便利な支払い方法であることは間違いありません。
カードに使われるのではなく、賢くクレカを活用できるようにマネーリテラシーを身につけましょう!