
ロボアドバイザーによる資産運用を検討しており、最終的に「ウェルスナビ」と「THEO+docomo」の二択で迷っているという方は多いのではないでしょうか。
ウェルスナビとTHEO+docomoは、ともにロボアドバイザーによる投資サービスを代表するサービスです。おまかせで資産運用を行いたい方は、ウェルスナビかTHEO+docomoのいずれかを選択しておけば間違いありませんが、2つのサービスには細かなメリット・デメリットの違いがあります。
この記事では、ウェルスナビとTHEO+docomoのどちらで資産運用するべきか迷っている方に向けて、2つのサービスを様々な角度から比較します。

ウェルスナビの特徴

※画像:ウェルスナビ 公式サイト
ウェルスナビは、ウェルスナビ株式会社が提供している、ロボアドバイザー型の投資サービスです。
ウェルスナビでは、AIによりおまかせで運用されます。ユーザーはウェルスナビの口座を開設し、口座に資金を入金するだけで全自動で資産運用することができます。
ロボアドバイザー型の投資サービスの中で「預かり資産・運用者数No1(※1)」を誇るサービスとなっているため、より信頼度の高いサービスを選びたい方にもおすすめできます。
また、非課税特例を受けられるNISA口座にも対応していますので、NISAでの資産運用をお考えの方にも最適です。
※1 一般社団法人日本投資顧問業協会「契約資産状況(最新版)(2024年3月末現在)『ラップ業務』『投資一任業』」を基にネット専業業者を比較 ウエルスアドバイザー社調べ(2024年6月時点)
THEO+docomoの特徴

※画像:THEO+docomo公式サイト
THEO+docomoは、株式会社お金のデザインとドコモの協業により提供されるロボアドバイザー型の投資サービスです。
ウェルスナビと同様、口座に資金を入金するだけであとはおまかせで資産運用を行なってくれますので、投資に関する知識が無い方でも手軽に資産運用を始めることができます。
また、NTTドコモと提携するサービスであることから、次のような特長があります。
- 資産運用でdポイントが貯まる
- dカードでのおつり積立が可能
- ドコモ口座との連携でワンクリック入金
ドコモユーザーの方やdカードをお持ちの方などに、特にメリットの多いサービスとなっています。
また、THEO+docomoではこれまでNISAに未対応となっていましたが、2024年12月18日から段階的にNISA対応が開始されています。
ウェルスナビとTHEO+docomoを一覧で比較!
ここでは、ウェルスナビとTHEO+docomoの特徴の違いを一覧で比較します。
ウェルスナビ | THEO+docomo | |
口座保有者数 | 約41万人 | 約13万人 |
投資対象 | 海外ETF | 海外ETF |
投資対象銘柄数 | 約12,000銘柄 | 約11,000銘柄 |
NISA対応 | あり | あり |
運用実績 | 最大110.4%(※1)(※3) | 最大32.2%(※2)(※3) |
手数料 | 年率1.1%(税込) | 年率1.1%(税込) |
最低投資金額 | 1万円 | 1万円 |
※1 参考:ウェルスナビ 運用パフォーマンス
※2 参考:THEO+docomo 運用実績
※3 参考:THEO 8th Anniversary 数字でみるロボアドバイザーTHEO
ウェルスナビとTHEO+docomoは、いずれもAIの技術を活用したロボアドバイザーサービスです。ロボアドバイザーサービスには大きく分けて次の2種類があります。
- 投資一任型
- アドバイス型
アドバイス型は、その名の通りAIが分析した結果から、最適なポートフォリオなどの提案を投資家にアドバイスするサービスです。対して、投資一任型のロボアドバイザーサービスでは、投資を行う銘柄の選定や売買のタイミングなどがすべておまかせで行われます。
ウェルスナビとTHEO+docomoは、いずれも投資一任型のサービスのため、口座に資金を入金しておけばあとはおまかせで資産運用が行われます。
2023年2月よりウェルスナビの最低投資額が引き下げ

※画像:PRタイムス
2023年2月27日より、ウェルスナビの最低投資額が1万円に引き下げられました。
それまで、ウェルスナビの最低投資額は10万円でしたので、最低投資額が引き下げられたことで、より手軽に資産運用を始められるようになりました!
ただし、最低投資額が引き下げられたのはウェルスナビへの直接の申込み分だけとなっており、提携パートナーを通じたサービスは対象外となっていますので注意が必要です。
THEOのNISA対応開始で比較基準も変わってくる
これまで、THEO+docomoはNISAに対応しておりませんでしたので、NISAでの運用をおこなうかどうかがウェルスナビとTHEO+docomoの大きな判断基準となっていました。
しかし、2024年12月18日よりTHEOのNISA対応が段階的に開始されたことで、NISA対応が比較時の決め手ではなくなり、より本質的なサービスや運用実績での比較が可能となります。
THEOのNISA対応では、すでにお持ちのNISA口座で「THEO投信」を購入し、THEOと連携することによって資産全体のバランスを取るNISA調整機能を利用できます。THEOでNISA口座を新たに開設することはできませんが、NISAにおいてもTHEOの自動運用での資産運用が可能となったことにより、THEOの全体の資産をバランスよく調整することができます。
また、ウェルスナビでは、NISAに対応した「おまかせNISA」のサービスが提供されており、NISAの非課税枠のメリットを受けながら資産運用することができます。ウェルスナビでは、NISA口座の新規開設も可能ですので、まだNISA口座をお持ちでない方にもおすすめです。
2024年より、NISAの投資枠が大幅に拡大されました。新NISAをきっかけに、NISA制度を利用して資産運用を始めようと考える方が増えることも予想されます。
現時点では、NISAでの資産運用をお考えの方はNISA口座を新規に開設したい人はウェルスナビの方がおすすめ、すでにお持ちのNISA口座を自動運用したい人はTHEO+docomoがおすすめ、ということになります。
手数料の割引プログラムを比較
ウェルスナビとTHEO+docomoの手数料は、いずれも預かり資産額の年率1.1%(税込)となっています。ただし、割引プログラムに若干の違いが見られます。
まず、ウェルスナビでは「長期割」が適用され、6ヶ月ごとに手数料の割引率が上乗せされます。割引率は、運用金額に応じて変動します。
- 50万円以上:6ヶ月ごとに0.01%ずつ
- 200万円以上:6ヶ月ごとに0.02%ずつ
長期割では、最大で0.99%まで手数料が割引されます。
対して、THEO+docomoでは、「THEO Color Palette」により設定されるカラーに応じて、手数料が0.715%〜1.1%に変動します。ですので、最大の割引が適用された場合はTHEO+docomoの方が手数料はお得です。
ただし、THEO Color Paletteが適用されるのはdカード GOLDをお持ちの方に限定されますので、前提としてdカード GOLDをお持ちで無い方の場合、割引は適用外となってしまいますので注意が必要です。
ウェルスナビのメリット
ここでは、ウェルスナビのメリットを解説します。
運用実績が優秀
ウェルスナビの最大のメリットが、優秀な運用実績があるため、高い利回りを期待することができる点です。
日本経済新聞では、ウェルスナビとTHEO、さらに、楽天証券の「楽ラップ」とマネックス・アセットマネジメントが提供する「ON COMPASS」の4つのロボアドバイザーの過去5年間の運用成績を比較した表が公開されています。
4つのサービスで、同様に中程度のリスクで運用をおこなった場合の想定されるリターンは次のとおりです。
ウェルスナビ | 49.8% |
THEO | 30.6% |
楽ラップ | 19.9% |
ON COMPASS | 25.6% |
※3 参考:ロボアドで積み立て、主要4社の運用成績を比較
ウェルスナビの運用実績が最も有利という実績があり、資産を運用して増やしたいと考える方には非常に魅力のあるサービスであるといえるでしょう。
おまかせNISAで新NISA枠を自動で活用できる
ウェルスナビでは、非課税制度がお得なNISAをおまかせで運用できる「おまかせNISA」を利用することができます。
NISAでは、運用益に対する税金が非課税になりますので、ウェルスナビのおまかせ運用で効率的に資産を増やしてもらうことが可能です。
THEO+docomoでもNISA対応がスタートしましたが、THEOのNISA調整機能では他の金融機関でNISA口座を開設する必要があるため、これから新規でNISA口座を開設したい人の場合はウェルスナビで口座を新規開設するのが手軽です。
2024年1月から新NISAが始まり、さらにNISAが有利になっていますので、おまかせで手軽にNISAを始めてみるのも良いでしょう。
THEO+docomoのメリット
ここでは、THEO+docomoのメリットを解説します。
投資でdポイントが貯まる

THEO+docomoでは、月末時点で運用資産額1万円につき1〜1.5ポイントのdポイントが付与される特典があります。通常、運用金額の1.0%のdポイントが付与されますが、ドコモ回線を利用中の方は1.5%還元でポイントが貯まります。
dポイントは、dポイント加盟店やd払いで利用できるだけではなく、THEO+docomoの口座に1ポイント=1円としてポイント入金することも可能です。
普段のお買い物で貯まったdポイントを入金することもできますので、dカードやd払いを利用している方のポイント投資にもおすすめできます。
dカードのおつり積立で無理なく資産運用できる

dカードをお持ちの方は「おつり積立」を設定すれば、無理なく資産運用を続けることができます。おつり積立では、基準となる金額を設定し、お買い物時の基準額に対する「おつり」が自動的に積み立てられます。
たとえば、基準額を500円に設定した場合、350円のお買い物をすれば基準額との差額の150円がおつりとしてTHEO+docomoに積み立てられます。貯金箱におつり貯金をする感覚で積み立てられますので、気軽に資産運用を始められますね!
THEOグリーンでのESG投資が可能

※画像:THEO 公式サイト
THEO+docomoでは、ポートフォリオの一部をESG関連ETFに変更して運用する「THEOグリーン」で、地球環境に配慮した企業に投資をすることができます。
ESG投資とは、
- E(環境:Environment)
- S(社会:Social)
- G(企業統治:Governance)
への取り組みを評価軸として企業を選ぶ投資手法です。単に資産を増やすための資産運用としてだけではなく、子どもや孫の世代につながる運動に投資ができるのは社会貢献の1つと言ってもよいでしょう。
ウェルスナビをおすすめできるのはこんな方
- 信頼できるロボアドバイザーを利用したい方
- まとまった資金を運用したい方
- NISA投資枠を活用したい方
ウェルスナビは、預かり資産・運用者数No1を誇るロボアドバイザーサービスとなっているため、信頼度の高さで選びたい方にもおすすめできます。
運用資産額が大きくなれば、長期割での割引率も大きくなりますので、まとまった資金を長期間運用したいという方にも最適です。また、ウェルスナビはNISA口座に対応していますので、NISA投資枠を活用して非課税で有利に資産運用したい方にもおすすめです。
ただし最低投資金額が10万円からと高額のため、少額から気軽に投資を始めたいという方には不向き です。
THEO+docomoをおすすめできるのはこんな方
- dポイントを貯めている方
- 既にNISA口座を開設済の方
- 少額で気軽に投資を行いたい方
THEO+docomoは、NTTドコモと提携したサービスのため、基本的にはドコモユーザーの方やdカード GOLDをお使いの方におすすめできるサービスです。
最低投資金額は1万円からと少額になっており、dカードでのおつり積立も可能ですので、少額から気軽に投資を行いたい方に最適です。
これまで、THEO+docomoとウェルスナビの比較基準はNISAの対応、非対応といった部分が大きかったですが、THEOがNISA対応を開始したことで、より詳細な機能や手数料、運用実績で比較できるようになった点は嬉しいですね。
筆者自身はTHEO+docomoを利用中

筆者は運用先として主に楽天証券を利用していますが、少額の運用先としてTHEO+docomoを使っています。
定期的な積立ではなく、細かな収入があった際の一部を入金し、年に1回程度出金しています。そのため、金額とリターンは大したことありませんが、現在のトータルリターンは10.65%とまずまずの成績です。
THEO+docomoを選んだのは、それまで少額の運用先としてLINE証券を利用していたのですが、ロボアドバイザーでの自動運用を使ってみたいと思い、ウェルスナビと比較して選びました。当時はウェルスナビの最低投資金額が10万円からでしたので、決め手になったのは最低投資金額です。
なお、筆者のスマホは楽天モバイルですので、dポイントの恩恵は感じていません。

その後、約1ヵ月で1%ほど運用実績が伸びました!
選択の基準はより詳細な運用実績などに!ドコモユーザーならTHEO+docomoも優秀
THEO+docomoがNISA対応を開始したことにより、ウェルスナビとTHEO+docomoとの選択の基準はより詳細な運用実績などを比較する必要があります。
単純に公開された運用実績を比較するとウェルスナビの方が数字は出ています。
ただし、ドコモユーザーならポイントや手数料割引で恩恵を受けられるTHEO+docomoも優秀です。
いずれの投資サービスも、最終的には投資家の判断が収益に影響します。メリット・デメリットを比較して、自分に合った投資サービスを選択しましょう。
